DiSEqC Positioner SG-2100で回転アンテナ


90cmセンターフィードとUNIVERSAL LNBFでただ今PAS-2 Ku受信中!


smallear.comでH-Hマウントが$99ということで買ってみることにしました。(2003/4/3)

しかし、shippingは$80と本体価格並みなので...。

イラク戦争たけなわのアメリカから約5日で到着しました。

DiSEqC 1.2という規格の一軸モーター制御に対応しています。

メリットは、

 モーターを同軸ケーブルの途中に入れることで制御線が不要

 コントロールもチューナーから行える

 数が出ると思われるので安く作れる

デメリットは、

 同軸給電なのであまり強力なモーターは使えない>120cm程度の皿迄

当然ですが、電圧の高い水平偏波の方が速く回ります。

Kuバンド用と思えば十分な能力です。

当然チューナーがDiSEqC 1.2 motorに対応している必要があります。

22KHz Toneは通過できるので、UNIVERSAL LNBFが本当に万能の意味でのUNIVERSALになります。

台湾MOTECKのSG-2100という型番です。

普通のH-Hマウントは軸が上に出ていますが、この製品は下に出ています。

アンテナのマスト取り付け部分が上部貫通のものしか使えないので仕様としてはあまり良くないのですが、コストダウンのためでしょうか。

むりやり逆さにして使うとたぶん重いアンテナでは壊れるでしょうし、同軸コネクタが空を向くので雨が降ると問題です。

なお、同社ではV-BOXという従来のアクチュエータをDiSEqC motor対応チューナーで制御する箱も売っているので、パワーが必要なら使ってみるのも良いでしょう。

初めて回転式アンテナに挑戦しましたが、いろんな方の助言により無事設置できました。

PAS-2からPAS-4までカバーできました

調整の肝ですが、

ハマーズのHPで自分の緯度経度を必ず調べておく

 出来ればカーナビ等のGPSで正確な値を知っておくと良いです。

 この後この値を基準に作業します。

・マストは垂直を出す

マスト用水準器があれば楽です。100円ショップでも売っているらしいです。

 必ず最低四方は測っておきます。

 無い場合でも5円玉をくくりつけた糸をたらして少し離れた場所から見比べると安くて正確です。

 垂直が出ていないとこの先苦労します。

・motorを真南に向ける アンテナも真南

 私はオリエンテーリング用のコンパスを使いましたが、motor自体が鉄製なので近づけると狂います。

 磁石の北は若干西よりなので、数度東(右回転)させて取り付けます。

 ずれの値(偏西角)はハマーズのHPで計算できます。

 少し離した位置でコンパスの向きを合わせ、motorがコンパスと平行になるように合わせます。

 コンパスが無い場合は、太陽が真南に来る南中時間のマストの影にしるしをしておいて南北とします。

 南中時間はここで分かります。

 設置時間が正午付近のみという制約がありますが、偏西角の影響を受けずに安くて正確です。

・仰角

 マストとmotorの間の角度(A)は緯度を元にマニュアルに添って合わせておきます。

 ここは正確に。

 SG-2100の場合、左右の目盛りで角度の基準が違うので注意してください。

 緯度からいきなり合わせられる目盛りと、マニュアルの値をセットする目盛りです。

 motorとアンテナの間の角度(B)もマニュアル通りです。

・アンテナを調節

 配線も済み組みあがったら、目的の衛星のパラメータをあらかじめ登録しておきましょう。

 調整には簡易型でも良いので出来ればスペアナがあると便利です。

 無い場合でもレベル表示出来る測定器かチューナーは必要です。

 アンテナは南向きにまっすぐに取り付け、LNBFの角度は垂直(偏波角0度)にしておきます。

 日本の場合天頂付近に結構衛星があるので、90cm程度のアンテナならスペアナで観測するとそのままでもそれなりに山が立つと思います。

 角度(B)を微調整して一番波が立つようにします。

 自分の経度に一番近い衛星(私の場合はN-STARa)と思われる方向へ少し動かし、波が立ったところでスキャンをかけて受信できるか確認します。

ST9900でのDiSEqC motor設定画面の入り方

Motor SettingをEnableにしたあとOKを押すと

位置調節メニューが出現します

 これはアナログチューナーのレベル表示が役に立ちます。

 うまく出来たらだんだん東や西の端の衛星まで確認します。

 ここまでの向きが正確なら面白いように波の上下があると思います。

 天頂付近でも東の衛星(例えばSuperbirdC)が全く見えない場合はモーター全体を東(左)へ、

 西の衛星(例えばJCSAT-3)が見えないならモーター全体を西(右)に回してどちらももそれなりに見えるようにします。

 >この現象はmotorが真南に向いていない証拠です

 天頂付近の衛星ははっきりしているのに、端に行くと波の上下がはっきりしなくなったら角度のずれがあります。

 衛星の静止している軌道は円弧上になっていて、クラークベルトといいます。

 アンテナの軌跡がクラークベルトの上をなぞるように円弧の高さとつぶれ具合を直します。

 角度(B)を調整すると円弧のつぶれ具合が変化します。

 角度(A)を調整すると円弧全体の高さが変化します。

 角度(A)を大きくすると角度(B)を小さくする必要があります。

 真南に向けてから(A)を調整し、(B)を調整してレベルが最高になるようにしたら良いでしょう。

 この後は地道に微調整しましょう。

 基本的にマストの垂直と南が出ていれば(A)はマニュアル通りでうまく行き、(B)の調節だけです。

東のPAS-2が受信できた!

JCSAT-2Aが受信できた!

N-STARaの謎の信号も受信できた!

ASIASAT-2 Hebei TVが受信できた!弱いけど...

西の端PAS-4が受信できた!

以下のページも役に立ちます。
ワード ひろきち メディアサテライト SADOUM
調整は大変ですが、一度調整できると多くの衛星が捉えられるので、世界が広がります。アンテナ複数と切り替え機を用意するコストとそう違わない値段なのでお勧めですが現時点では国内で扱っている販売店は無いようです。

DiSEqC 1.2対応チューナーの互換性の問題はありますが、2万円程度でも売れるのではと思いますが...。


手持ちのチューナーで制御できるか確認してみました。

長時間チェックしたのはST9900だけなので注意して下さい。

チューナー 結果
ST9900 OK
DMT-1000 電源容量不足かリセットを繰り返す
SDR-1000RmkII OK

SDR-1000Rmk2の衛星設定


気を良くして、ネットオークションで買ったTurbo4200を実戦配備しました。(2003/4/6)

C/Ku Dual LNBFという代物です。

CとKuで偏波がさかさという困った仕様です。

直せるはずなのですが、3本のネジを外してKuだけ回そうとしたのですが、簡単に行かない様なので断念しました。

KuはLO:10.75GHzという中途半端な仕様で、できれば10.6GHz程度まで低いか、11.3GHzあたりまで高いと実用度はあるのですが。

950-1450MHz=11700-12200MHzが保証の範囲です。ほとんどの衛星がこれ以上の周波数なのでKOREASAT-3か日本のBS程度しか保証周波数内に無いのです。

同軸2本引き込んでも良いのですが、アンテナの後ろにSMWの0/22KHz同軸スイッチをネジで止めました。

防水のために箱に入れないとだめらしいですが、長期間使わないなら多分大丈夫でしょう。

0KHzでC,22KHzでKuバンドとしました。

チューナーの設定に22KHz Toneによって局発周波数を任意に設定できる機能がありますが、5150/10750はうまく動きませんでした。

同じ衛星をCとKuで別衛星として登録して無事受信できました。

隣の衛星の混信の具合でCとKuで向きが若干ずれる場合もあるので、これはこれで妥当な仕様でしょう。

余談ですが、ここのHPFree Softwareに衛星に向ける向きや偏波角の計算ができる(機能はおまけらしい)SMWLINKというソフトがあります。

受信結果ですが、Cバンドは人並みの性能があるようです。

1波でも見えたら○としています。なお、すべてのチャンネルが見える衛星は皆無です。

混信が無ければPAS-2が見えるかもしれません。

円偏波にしたらYAMAL102も見えそうでした。

APSTAR1Aは混信の山で苦労します。

  DIGITAL ANALOG
PAS8 ○(Good)  
JCSAT2A  
AGILA2  
GORIZONT33   ○(Good)
APSTAR1A  
ASIASAT3S ○(Good) ○(Good)
ASIASAT2 ○(Fair)  
INSAT2E
THAICOM2  

Kuはさっぱりですね。UNIVERSAL LNBFとは比較にならないです。

ほとんどの衛星が仕様外動作になるで仕方ないですが。

一応復調できた衛星を列挙します。

INTELSAT802,PAS8,JCSAT2A,SuperbirdC,JCSAT3,JCSAT4A,KOREASAT3,ASIASAT2,NSS6,LMI1

しかしながら見えるチャンネルが倍増したのは事実で、90cmでもそこそこ遊べることは分かりました。

せめて120cmあるとPAS-2も見え出すので、より楽しいでしょう。

アンテナが回ると世界が広がりますね。


海外衛星テレビに戻る

inserted by FC2 system