KISSCEXで多ポート化しよう
KISSCEXはJF2CEX小路さんが改造したKISS ROMです。
AEA PK-80や今は亡きタスコTNC-22,AMD-TNC等のTNC-2互換TNCで動作します。
大きな特徴は、RS-232Cのケーブルを工夫することでシリアルポート1つに複数台のTNCを接続して動かすことが出来ます。
シリアルポートの少ないノートPCでもたくさんの周波数で同時に運用できます。
ケーブルの回路図やROMイメージはここから入手することが出来ます。
2台接続はLinuxのax.25ドライバで実績があるので、3台接続に挑戦しました。
結果はTNC-22が2台とPK-80が1台で良好に動かすことが出来ました。
ROMはa0.hex,a1,hex,a2.hexを焼いてもらい、kiss mode専用で動くようにしてもらいました。
ダイオードマトリクス製作のコツですが、
以上を守ればうまく行くと思います。
私はCSMAの状態とデータの送受タイミングを見たかったのでLEDを繋いで点灯させるようにしました。
大きな赤がTNCへの送信、大きな緑がTNCからPCへの送信、小さいLED3つはどのTNCがPCへデータを送っているかを示します。
ソフトの設定はKPC-4と同じでmkissを常駐させ、物理的な/dev/ttyS?を論理的な/dev/ttyq?へ変換します。
echo 'KPC-4 2port'
/usr/sbin/mkiss -s 9600 -h /dev/ttyS1 /dev/ptyq0 /dev/ptyq1
/dev/ptyq2
/usr/sbin/kissattach -m 512 /dev/ttyq0
ax0 133.93.32.4
/usr/sbin/kissattach -m 512 /dev/ttyq1 ax1 133.93.32.4
/usr/sbin/kissattach -m 512 /dev/ttyq2 ax2 133.93.32.4
mkissは/dev/ptyq?,kissattachは/dev/ttyq?なので注意してください。
-hは無くても良いと思われます。
PCとTNCの間のDTE速度は無線の速度より充分早くないとなかなか送信しないでしょう。
BELL202 1200BPSが3つであれば最低1200×3=3600BPS、つまり4800BPS以上必要です。
mheardを見ると時々ビット抜けと思われるコールサインが見受けられます。
わずかな頻度であれば無視できると思いますが、かなりの数であればCSMAが効いていないと思われるのでDTRとCTSの間のダイオードマトリクスを点検してください。
なお、普通のTNCを繋いでもコールサイン化けは発生します。
特にカントロニクスとタスコのROMのKISSは...
予備に2ポート版を作成しました
3ポート版は贅沢にも新品の部品を使ったので高くついてしまいました。
安価に作るためにハードオフのジャンク売り場でケーブルを買ってきて使いました。
元はモデム用と思われるDSUB25ピンオスオスのケーブルが300円、Mac用モデム変換ケーブルと思われるDSUB25ピンメスとミニDIN8ピンオスがついたケーブルが200円でした。
あと、200円のDSUB9ピンとミニDIN8ピンオスがついたケーブルも買ったのですが、今回は使いませんでした。
とりあえず原価が税込み735円です。
他にダイオード2本が必要ですが、手持ちがあったので流用しました。
300円のケーブルはコネクタが分解可能だったので、配線の確認は楽でした。
200円の方はモールドなのでテスターでピンをあたって調べました。
TXD,RXD,RTS,CTS,DSR,DTR,GNDの7本が分かればあとは不要なので切断しておきます。
大体30分程度で完成しました。
今の3ポートと入れ替えてみましたが、特に問題なく動きました。
コンピュータ側をDSUB25ピンメスのコネクタにしたのは、ケーブルの全長が短いために現在使っているケーブルを延長ケーブルとしてそのまま使いたかったからです。
9ピンメスを使ったらそのまま刺さるので、ケーブルの長さが足りたらそうしたでしょう。(2001/4/30)
PC-9821Nb7で2ポート動作を確認しました。
RXDのダイオードに並列に10Kオームの抵抗を取り付ける必要があります。
3ポートケーブルは動作しませんでした。ファンアウトが足りないのでしょう。(2001/5/15)